大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)957 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人佐々木秀雄の上告理由第一点について、

人事訴訟事件において、当事者の立証により既に十分の心証を得た場合において

も、裁判所は常に職権で証拠調をなすべきであるとの法理は存せず、裁判所は既に

得た心証の程度に従い、自由に証拠調の限度を定めるものであつて、人訴法三条も

この点に関し何等特別の措置を要求する趣旨を含むものと解することはできない。

(昭和二五年(オ)第三二三号同二九年一月二一日第一小法廷判決参照)而して原

判決挙示の各証拠によれば原判決の認定を首肯することができるから、原審がこれ

らの証拠によつて得た心証をもつて十分とし、敢て職権により所論のような点につ

き更に証拠調をしなかつたことを捉えて所論の違法があるということはできない。

それ故論旨は採用できない(なお上告代理人提出の昭和三二年三月三日付上告理由

補充書は、上告理由書と同趣旨で而も期間后の提出にかかり不適法のものであるか

ら、判断を与えない)。

同第二乃至第五点について、

原審は、被上告人は昭和二五年四月二一日第一審相原告Dの子として出生したも

のであること、同女は受胎可能の期間である昭和二四年六月末頃より同年八月頃ま

での間に数回に亘り上告人と情交関係を結んだこと、右期間中同女が上告人以外の

者と情交関係を結んだことは認められないこと及び血液型検査の結果によれば上告

人は被上告人の父であり得ることを綜合して右Dは上告人との情交関係の結果被上

告人を懐胎し、従つて被上告人は上告人の子であると認定したものであることは原

判文上優に窺い得るところで、上記のような事情のもとにおいては、他に特段の事

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由のないかぎり、被上告人は上告人の子であると推認するを妨げないから、原判決

の認定判断には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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